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手術を薦めない理由



腰椎椎間板ヘルニア患者のうち、約20%は保存療法で対処できると言われています。また、安静にすることを遵守し、保存療法を的確に処置できる病院にかかれば、それほど長い治療になることもないと思います。

しかし、問題となるのは残りの80%にあたる、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんです。腰椎椎間板ヘルニアの手術は必ずしも安全というわけではなく、運が悪い場合は、重篤な合併症を発症したり、後遺症を残す危険性があります。

このため、腰椎椎間板ヘルニアの患者さんは、高いレベルの技術をもった医師に、最先端の設備を投入して、治療をしてもらいたいと考えるようになるのが一般的です。

しかし、この目的を達成することはもちろん容易ではありません。腰椎椎間板ヘルニアの術式として、患者への負担、あるいは侵襲が少なくて入院期間も短く済む最小侵襲術、内視鏡下術、顕微鏡下術等、が主流になりつつあります。

このタイプの術式が可能な腰椎椎間板ヘルニアの患者さんであれば、受けた方がメリットが大きくなるでしょうけれども、日本にはまだ技術面が充分であると考えられる病院や医師はそれほど多いわけではありません。

腰椎椎間板ヘルニアと診断することはほとんど病院で可能ですので、自宅の近くや会社の近くで診断を受け、保存療法を受けながら解消に向けて継続して治療をすることをし、それでも保存療法だけでは無理という段階になれば、有名な病院や大きな病院を探せばいい、と考えることは難しくないと思います。

しかし、有名な医師がいる病院などで受けたとしても、それで全快するかと言ったらそんなことはありません。名医と言われる医師でも腰椎椎間板ヘルニアの術後成功率はおよそ20%程と言われています。

残りの80%は、時間が経つにつれて痛みやしびれの再発を訴えます。人によって時間経過は様々なようですが、1ヶ月以内に再発する方もいれば、6ヶ月後に再発する方もいます。

このように、腰椎椎間板ヘルニアの外科的治療を受けたからといって完治することは難しいようです。ですが、現在の痛みやしびれが少しでも和らぐのであればという想いで実行される方もいます。

ですので、今お伝えしたことをしっかりと念頭に入れて、腰椎椎間板ヘルニアは再発するリスクがある、という考えを持って受けるか受けないかよく考えることが大事です。

また、その他にも精神的な心配が増えます。心の準備の時間と費用的な準備は特に必要になってくると思います。出来ることとしては、セカンドオピニオンの導入や、高額医療費についての準備などが一般的と思います。

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