腰椎椎間板ヘルニアの自然消滅は可能なのか?
腰椎椎間板ヘルニアは自然消失が出来ると言われています。通常、3ヶ月程度の治療を効果的に適用すれば、ヘルニアが小さくなり、椎間板も内圧を正常に戻して、普段通りの生活ができるようになります。
しかし、全ての腰椎椎間板ヘルニアに適用出来るというわけではなく、MRI撮影をした結果を見て、自然消失する可能性を判断し、それによって治療方法も決定されます。
腰椎椎間板ヘルニアでこれが可能と判断された場合は、腰椎椎間板ヘルニアの保存療法を継続し、定期的にMRIを撮影します。しかし、逆にヘルニアが大きくなってきて、麻痺が進行したり、痛みが大きくなってしまうと、途中で手術を検討するケースもあります。
しかし、保存療法で腰椎椎間板ヘルニアの完治が可能と判断された場合、ほとんどの患者さんはそのまま改善されますが、生活態度に不適切な行動があったり、無理な仕事を不定期に行った場合では、消えるとは限らないということが言えます。
また、MRIによって自然消失が無理と判断された場合は、一定期間は治療して、その経過を見る場合もありますが、多くの場合は手術を検討することになります。
腰椎椎間板ヘルニアは、大きく2種類に分けられます。その1つ目は、髄核が線維輪を破り、またさらに後縦靭帯をも穿破して、脊柱管内に髄核が出ている状態の脱出型です。
この場合、髄核が体内で異物となって、自身の貪食細胞によって排除されることで、ヘルニア塊が消失してしまう可能性があります。
この貪食される期間については患者さんによって、個人差がありますが、通常は6ヶ月程度かかると言われています。この間の主な治療法は痛みを止めて安静にし、痛みが無ければリハビリをします。
2つ目のタイプは、後縦靭帯を破っていない、非脱出型のヘルニアです。この場合は髄核が異物として現れないため、貪食されることがありません。
この場合も必ず手術するということではなく、一定期間は自然療法で経過を見ます。このように腰椎椎間板ヘルニアは自然に消失することもあります。まずは自分の症状がどのタイプに当てはまるのかを理解し、どの治療を行うか決めることが大事になってきます。